畑の肥料を生ゴミで作る「生ゴミ堆肥」とは
家庭からでる生ゴミは「生ゴミ堆肥」として再利用することができます。
野菜くずを中心にした食品などの生ゴミは、有機物が主な成分。地中に埋めておくことで分解されて栄養豊富な土になります。
家庭菜園や園芸を楽しむ方なら、肥料や堆肥はホームセンターなどで袋詰めにされたものを購入するでしょう。
しかし、普段の生活で出る生ゴミを堆肥にして使えば、ゴミの排出量が減らせますし肥料を購入する費用も抑えることに繋がります。
ただし、生ゴミならなんでも堆肥になるわけではありません。ゴミの種類によっては分解されるまでに必要な時間が大きく異なります。
鳥や魚の骨は土になるまでに非常に時間がかかりますし、ナッツの殻などは土になりません。
これらを混在させてしまうと悪臭が発生したり、虫がわくなどの弊害を招きます。初めて生ごみ堆肥作りに挑戦する場合は、土に還るまでの時間が短いもので作ってみましょう。
畑の肥料を生ゴミで作るメリットは?
家庭から出されるゴミのうち、実に6割近くがキッチンから出るゴミだと言われています。
他のゴミと違い生ゴミは有機物であり、自然の生態系に還っていくことができるものです。堆肥にすることで資源として再利用することができれば社会的なメリットになります。
家庭でも日々出される生ゴミは時間が経つと腐敗したり、ゴミとして出すにも費用がかかります。それを堆肥として使えるのであれば衛生的にも良いことですし、家庭菜園を楽しむ人にとっては肥料を購入する費用が浮いて家計も助かります。
生ゴミを堆肥にするには「コンポスター」という専用の容器が便利です。もちろん、コンポスターがなくとも工夫次第で堆肥を作ることもできます。
最近は、このような堆肥化用の容器を使って、生ゴミを家庭で再利用するケースが増えているのです。
生ゴミを利用して畑の肥料を作る時の作り方
【直接土に埋めて堆肥化する場合】
1.生ゴミの水を良く切っておく。
2.栽培している植物がある場合は、離れた場所に穴を掘って生ゴミを入れ土をかぶせます。発酵促進剤を使うと土に還るまでの時間を短縮できます。
生ゴミの量が多いときは、生ゴミ・土・生ゴミ・土…と層にして埋めましょう。
3.埋め終わったら雨などがかからないようブルーシートなどを掛け、重石などで飛ばされないようにします。
数ヶ月置いてから掘り返して内部を確認し、まだ完熟していない場合は周辺を混ぜ合わせてから再び土を掛けて埋めます。
【プランターを使って堆肥化する場合】
プランターの土でも生ゴミを埋めて、雨を避けるよう管理することで堆肥化することができます。古い土でも発酵時の酸度である程度殺菌されます。
発酵すると生ゴミから水分が出るため、プランターから出た水分が腐敗して臭いの原因になることがあります。
プランターを使用する場合は、卵の殻やコーヒーやお茶ガラなどを少し使う程度の方がいいかもしれません。
市販のコンポスターを使って堆肥を作る方法
生ゴミのリサイクルのために市販されているポリエチレン製のコンポスターを使う方法です。
土のある場所に置いて、上部の投入口からフタを開けて生ゴミを入れていくタイプのものです。コストが抑えられることと手軽なことがメリットで、自治体によっては購入費用が補助されていることもあります。
ホームページや自治体窓口などで確認してみましょう。
ただ、コンポストは生ゴミを外に持ち出す必要があることや、気温が高い季節は腐敗集や虫の発生といったデメリットもあります。
生ゴミを入れた後は土をかぶせるようにすると、防臭になり堆肥化を促進する効果もあります。
コンポスターがいっぱいになってから堆肥として使用できるまでは数ヶ月を要します。2~3個のコンポスターを使い順に使いまわしていくと便利です。
畑に堆肥を施すタイミングはいつが良い?
家庭で生ゴミをリサイクルした堆肥は、家庭菜園の種まきや植え付けの前に施します。通常の肥料も元肥(もとごえ)として同時に施します。
堆肥や元肥を施すタイミングは、植える植物によって適期が違います。
●3~4週間前までに行う野菜
葉物野菜(キャベツ・ブロッコリーなど)
単子葉野菜(玉ネギ・ニンニク・ネギなど)
●2週間前までに行う野菜
双葉野菜(ナス・トマト・オクラなど)
瓜科の野菜(きゅうり・ズッキーニ・スイカ・かぼちゃなど)
【堆肥・元肥の施し方】
・広範囲に行う場合
畑の土を耕すときに、同時に堆肥や肥料を全体に混ぜ込んで耕すと、肥料の効果が緩やかに長期間続きます。
・局所的に使う場合
植えつける穴や、成長を促進させたい野菜の根元などに追肥して使います。
堆肥は土壌を活性化させ野菜の生育に良い団子状の土にします。保水力があり栄養を豊富に含んだ堆肥は、元気な野菜が育つ手助けをしてくれます。
市販のものを購入することもできますが、家庭から出る生ゴミも減らせるのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。